ZTT・TTT:取りやめになって行く検査の背景

それ、もうすぐできなくなるよ。

ある時私の所属する医療機関の偉い人がそんなことを言っていました。対象となる検査はクンケルとチモールという二つの血液検査項目で、ZTTとかTTTといった表記で示されていることがあります。

これらはいずれも肝機能の枠組みで検査されているのですが、正式には膠質反応〔クンケル(ZTT)、チモール(TTT)〕と呼ばれています。私も資料なしで何の検査?と聞かれると上手に説明が出来ません。人間ドックなどではそのような検査が組み込まれていることが珍しくありません。

そんなクンケルとチモールは、つい先日になって私の職場でも健康診断や人間ドックの対象から外れることが正式に決定することになりました。私の勤め先の代表的な人間ドックのコースにも入っていますし、健保契約のコースなどにも長く組み込んできた検査ですので対応が面倒でなりません。

健診機関では新しい検査が追加されることもあれば、古い検査が削除されていくこともあります。それぞれに事情があるのですが、これまで行っていた検査が削除されていく場合には、その検査が出来なくなっていくという何かしらの事情があるものです。

例えば今回削除の流れになったクンケルとチモールは検査したくてもできなくなってしまう事情があったのです。それは検査をするために必要な資材が購入できなくなるということが大きく関係しています。

元々は以下のような話から始まりました。

偉い人「ZTTとTTTは保険で通りにくくなったから、そのうち出来なくなるよ。早目に対処しておいてね」

私は最初意味がよく分からなかったのですが、現在ではよくわかります。要するに今回の対応のきっかけになったのが、保険診療の際に気軽に選択することのできる検査ではなくなったということが大きいのです。

保険診療として請求できないということは、治療の場おいて実施されるケースが極端に下がっていくということを意味するものです。お金にならない検査を進んで行う医師はいませんし、お金にならない背景にはお金にならない何らかの事情があるものです。

そんな扱いを受ける検査ですから、検査のために必要な資材を作る会社も減っていきますし、継続したとしても割高になるでしょう。それでもその検査を継続する理由というものは存在していないのが一般的です。

要するにお金にならなくなる検査だから廃れていくのです。このように医療の世界というものは上手に需要と供給がコントロールされているのが実情です。

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