VDT:今、存在意義が問われるような特殊健診

私はタイトルのように思っています。

このVDTという言葉を聞いたことがある人がどれくらいいるかわかりませんが、正式には「Visual Display Terminals」のことを意味します。厚生労働省のページには以下のように表現されています。

具体的には、ディスプレイ、キーボード等により構成されるコンピュータの出力装置の一つで、文字や図形、グラフィック、動画などを表示する装置のことです。「VDT機器」を使用して、データの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集・修正等、プログラミング、監視等を行う作業を「VDT作業」といいます。

要するに、パソコンを使った作業のことを言うんだろうなと思うのですが、今ではこんなの非常に当たり前の作業でしかありません。どんな業種でも使用することになるでしょう。

確かに長時間労働をパソコンの前で行うような状況では様々な問題が生じると思います。それを管理する義務が企業側にあるということを言いたいのであれば必要な項目かなとは思います。

このVDT健診は指導勧奨の特殊健康診断という分類になっています。この分類の特殊健診の場合、実施するように行政の指導は存在しているものの、実施しない場合の罰則というものは存在していないと言われています。そのため私の知る限り、このVDT健診を実施するケースの方が少数派です。

正直な気持ちとして他の特殊健診のように強く推奨することが出来ないものとしてもかなり特異的な存在です。ちなみに明らかにパソコンを使って作業をするような会社の場合でもVDT健診をしていないところはいくらでもあります。それで何の指導もないのであれば時代の流れというものなのでしょうか・・。

ちなみに構成されている検査は視力検査の詳しいもの・・という印象の残るものです。私自身は受けたことがないのですが、様々な視力検査の集合体であると言えます。

労働基準監督署の方は次のように言っていました。

労基「指導勧奨の健康診断というのは、行政として健康診断をするように推奨している健康診断です。そのため、実施してもらう事が大切です。しかしながら実施しなかったことによる罰則はありません」

私「では実施しなくても良いということですか?」

労基「実施しなくてもよいということはありません。罰則がないだけで、行政は実施するように言っています。そのため指導勧奨の検査項目で何らかの障害が業務上の理由によって生じた場合、行政の指導内容に準じて対応をしてきたかという点は非常に重要な判断材料となります」

つまり、やらないことに対する罰則はないけれど「何かがあったときにやっていないと不利な立場になるよ」ということでしょうか。

なお、公表されている実施率については、厚生労働省「平成20年 技術革新と労働に関する実態調査」によると、コンピュータ機器を使用している事業所のうち、VDT作業環境対策を実施している事業所は67.8%であるが、VDT作業時間管理対策を行っている事業所の割合は10.3%、VDT健康診断を実施した事業所の割合は14.4%にすぎなかったとのことです。

10年前でこの程度です。ちなみに現在の私の勤め先の契約先に関する実感としては1~2%程度です。

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