ワクチンが足りない・・・、そんな声があります。
私は担当ではないので毎年蚊帳の外から見ていますが、例年秋口になるとインフルエンザワクチンのことで騒ぎが起こります。夏の初め辺りから準備が進められるのですが、大抵はワクチン不足から始まって最後には余って困るという流れになるのです。
多分今年も同じです・・。
私は物資を余剰にため込んで、結局は廃棄してしまう現代社会の仕組みそのものがあまり好ましいものではないと思っています。食品に関する業界ではどこでもある問題ではないでしょうか。余ってしまった食品は廃棄するしかなく、家畜のえさにする場合もあるかもしれませんが、食べられるものを廃棄しているという行為そのものが健全ではないと感じてなりません。
そんな問題は毎年ワクチンの世界にもあるというのをご存じない方も少なくないのではないでしょうか。私は専門家でも何でもありませんのであまりはっきりしたことは言えないのですが、ワクチンの中でもインフルエンザワクチンは毎年不足が叫ばれているにもかかわらず、相当に廃棄されているように感じます。
インフルエンザワクチンの一般的な流れは以下の通りです。
①製造する
②販売する(製薬会社などから販売店経由で各医療機関へ)
③接種を行う
④余剰分は業者に返却する
ごく一般的な流れですが、このワクチンが不足することがあるのは製造工程による影響を受けるという部分にあります。
知っている方も多いですが、インフルエンザワクチンはどのメーカーのものを選んだとしても基本的には同じものです。毎年作られるワクチンは同じものとなっており、それを一斉に作ることになります。
しかしながらワクチンは製造工程上、失敗するということがあります。工場で機械的に作られるものとは異なり、実際に使えるワクチンとして認めてもらうことが出来ない場合があるために、その製造量には不確定要素があるのです。
2018年もワクチンの不足が予測されており、二回接種をしないように案内をしているように感じられる報道もありましたが、実際に今年のワクチンの先行きは見えてきません。
はっきりとは言われていませんが、株の作成に失敗したのではないかという話をする人も出てきました。9月も半ばになるというのに、いつになったらワクチンが入手できるのか、どのくらい購入できるのかさえはっきりしたことはわからないのです。
実は健診機関では、健康診断と同じように大量のインフルエンザの予防接種を行っています。従業員を各自で病院に行かせてインフルエンザのワクチン接種をしてもらうというのはなかなか面倒ですので、会社でまとめて接種できる機会を作ることがあるのですが、その仕事の受け皿が健診機関だったりします。
非常におおざっぱなスケジュールで予約管理をし、大量にワクチンを確保してしまう健診機関も少なくありません。当然おおざっぱな管理ですので余りが出てしまうことになり、余剰分の返却をしてしまいます。
この仕組みがなぜあるのかわかりませんが、余ったものを返却するという文化というか風習のようなものが存在しており、かなり気軽に返却できてしまいます。そのため、厳密な在庫管理をしない担当者が生まれやすいのも悪しき風習の一つかもしれません。
これって食品ロスと同じ問題のような気がします。今年のように不足する年の場合には問題視されるべきものなのかもしれません。