人間ドック学会の2018年の新基準と尿糖について

多分誰でもやっている検査の一つが尿糖です。

文字通り、尿に糖が出ているかどうかを調べる検査がこれになるのですが、安衛法による基本的な項目にも含まれていますので健康診断で必要な検査になっています。

そのため、年齢にかかわらずこの検査をしたことがないという人はいないでしょう。検査法は非常に簡単で、採取した尿を試験紙をつけて変色をするかどうかと言うのを確認するという方法で判定をしています。

私は両親が糖尿病だったということもあり、小さなころから糖尿病関係の知識は身につけてきました。両親ともに糖尿病でしたので自分自身がサラブレッドであり、将来的なリスクが非常に高いことを自覚していましたので注意してきたつもりです。そんな中で尿糖は自分でも調べやすい項目と言うことで身近な存在です。

勿論、糖尿病の判定のためには血液検査が必要になります。血糖の状態やHbA1cなどは有力な指標として使われていると思います。それに血糖の確認は現在では自分で自宅で行えるようにもなってきていますので、自宅で尿糖を検査することもあまりないのかもしれませんが・・・。

そんな尿糖ですが、2018年に公表された人間ドック学会の新基準ではどれだけ尿糖が出てもB判定、つまり「軽度異常」や「放置可」、「正常範囲内ではないけれど心配なし」となりました。従来の基準ではD判定、つまり再検査をしてくださいね、でしたので随分と緩和されました。

ここでちょっと教科書的な説明を引用してみたいのですが、

尿糖とは、血液中のブドウ糖が尿中に漏れ出してきたものです。

ブドウ糖は、膵臓から分泌されるインスリンの働きにより細胞内に取り込まれ、生命活動に必要なエネルギー源となります。ブドウ糖がエネルギー源として利用されると、ブドウ糖は最終的に二酸化炭素と水に分解され、余分な水は尿として体外に排出されます。

ブドウ糖は糸球体でろ過されてしまいますが、からだに必要なものなので尿細管で再吸収されます。通常は再吸収の方が排泄を上回るので、ブドウ糖が尿中に排泄されるのは僅かになります。

尿糖が検出されてしまうのは、その再吸収を上回るほどの糖が血中にある場合です。ですから尿糖検査は、糖尿病のスクリーニングとして実施されます。

ただし糖尿病以外でも、甘いものを食べ過ぎた後や強いストレスを受けた時などは、一時的に尿糖が陽性になる場合もあります。また体質的に尿の中に糖が出やすい「腎性尿糖」もあります。

職場では年配の方を中心に、基本的には尿糖は出るものではないので、出る場合にはそれなりの心配をした方が良いという話をされます。私もそう教えられてきましたので、出るはずのないものが出るので「念のため」しっかり調べましょうというのがこれまでの尿糖に対するD判定の根拠でした。

これに対して、こんなことだけで病院受診を勧められても・・という臨床の現場の声がありました。それぞれの立場の違いによる判断に違いなのかもしれませんが、私たちの環境では今後も尿糖が陽性((+)以上)の場合には再検査推奨になる見込みです。

こんな感じで人間ドック学会の基準があっても、必ずしも一致しない独自判定基準が生まれていきます。

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