治療の現場の先生から人間ドックへの指摘

実際どうなのでしょうか?

完全に無意味であるという判断をする医師は少ないと思いますし、実際にある程度の効果や期待を持ってもらえているものであるとは思いますが、その結果の取り扱いや判定の仕組みについては様々な意見があってしかるべきであると言えるでしょう。

最近、産業医向けの研修資料を見る機会があったのですが、その中に合った人間ドックにおける判定の在り方についても各種の批判めいた意見が目に留まりました。それほど長時間見たわけではないのですが、中々に痛いところを突く意見があって、面白かったです。

私は医師ではありませんので人間ドックや健康診断の世界以外からの批判や応援については少し距離を置いたところから見ることが出来ているかなとは思うのですが、なかなか難しい問題だと思うところがありました。

例えば「判定の厳しさ」などは批判の対象になっていました。判定が厳しいのは私も知っている内容であり、臨床の現場で働いている先生からは「この程度で病院受診を推奨するのはどう考えてもおかしい」とされる内容が人間ドック学会の基準になっていたりします。

そしてそこには年齢差や生活環境、個人の体質の差といった要素を考慮することなく、機械的に判定をしている部分がありますのでとても冷たく感じることもあるでしょう。

一応健康診断や人間ドックの結果は医師が診て判定を付けることになりますが、フィルムの存在しているX線検査などのようなものであればまだしも、血液検査などは数値に対して機械的に判定を下すことになりますのでどうしても画一的になりがちです。差を付けようにも本人に会っていないので判断のしようがないというのが現実です。

小規模な医療機関であれば一人の医師が責任を持って調整できるかもしれませんが、一日に数百人に対応する健診施設などでは一人一人に合わせて判定を調整するというのは現実的ではないのです。

私の職場ではかつて医師による修正を徹底した時期がありましたが、医師によって判断基準にばらつきがありますし、どうしても見落としをしがちですので全く同じ条件の方でも判定が異なるという新しい問題を生み出していました。そのため最終的にはトラブル回避のために機械的な処理になってしまうのです。

臨床の先生にしてみれば、一人の患者の継続的な変化を見ないで何を判断するのか‥ということのようですが、毎日数百人が途切れることなく続く健診の世界において丁寧な判定は現実的ではなかったりするのです。

もしそうなら、健診の世界は数をこなすために本質を見落としてしまっており、望ましい形から離れつつあるのかもしれませんね。

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