人間ドックと腫瘍マーカー

腫瘍マーカーは結局どうなの?

私は人間ドックは受けてくださいねと多くの人に言いたいですが、全ての検査をお勧めするわけではありません。検査の中にはこれってどうなの?と言うものも少なからずあったりします。まぁ、病院の活動もビジネスですので臨床的な意義について存在しているものを売っているはずなのですが、本音を言うとおすすめを躊躇するものがあるのは事実です。

オススメするかどうかを悩む腫瘍マーカー

実はオプション検査のオススメをする際に躊躇するその一つの実例が腫瘍マーカーなのですが、一般的にがんの早期発見のための検査として紹介しています。がんはまだまだ多くの人が恐れている病気ですので早期発見と言う言葉には魅力を感じることでしょう。そのためかなり人気のある検査だったりします。実際にこの検査でがんが見つかった人もいると思いますが、その後の経過がどうなのかについて、私たちはあまりに知らないかもしれません。

かくいう私も腫瘍マーカーの陽性事例について、その後長期間の様子を実際に継続して追えているのは父親と大学時代の友人のPSA(前立腺がん)のみです。いずれもかなり前の段階で高値を示しており、前立腺がんの可能性が指摘されたものの、その後も元気に生きています。ただし治療をしたわけでもなければ治ったわけでもありません

PSAと言うのは前立腺がんの早期発見に役立つとして、腫瘍マーカーの中でも格別に期待されている検査の一つです。その実例について私の数少ない話を紹介してみたいと思います。

ケース1:PSAが高かったけど、検査したら下がってしまった

腫瘍マーカーの中でPSAだけは男性の前立腺がんの可能性を探る有益な検査と言う医療従事者は多いです。私の父親の場合は5年前にこのPSAが急激に高くなり、病院で相談をしたところ前立腺がんの可能性があるという話になりました。その後MRIで画像診断をした後(本人談)、やはり前立腺がんの可能性が高いと医師の診断があり、じゃあ細胞診をしましょうという話になりました。

これは大事です。母親は心配でおろおろしてしまい、毎日様々な治療法をインターネットで調べていました。そんなところまで行ったのですが、細胞診の結果は陰性、しかも再度血液検査をするとPSAの数値は正常値に戻っていました。その後思うところがあったようで、がん保険に慌てて入ったということがありました。がんの診断前だから入れたんですね。その後再発はありません。この話を聞いたとき、正直な気持ちとして私はなんだそりゃと思いました。まぁ、がんではなかったので良い話なのですけどね。

この話のポイントはPSAが高く、前立腺がんの可能性が高いとされて精密検査まで行ったのに何も見つからず、検査結果まで改善してしまったため何が問題だったのかがわからなくなっている点です。家族はよかったねと笑っていますが、本人にとっては今後ずっといつ発症するかという不安を抱えることになるのだと思います。

ケース2:PSAが高いけど、何年も結論が出せずに10年以上が経過

もう一例は大学院時代の友人の話です。もう15年くらい前の段階でPSAがかなりの高値で自分は死ぬと言っていた60代のおじいさん学生がいました。こちらのケースは現在まで一貫して高い状態が続くのですが、どこで精密検査をしても前立腺がんの診断には至らないそうです。

その状態が15年以上続きましたので少なくとも前立腺がんではないのでしょうね。本人は永遠のグレーと言って笑っていますが、不安のほどは計り知れません。周囲の人間はがんでないなら良かったねと笑いますが、本人にとっては検査で陽性なのに何も見つからないと後に残るのは不安だけです。

こんなケースもありますのでお金を出してぬぐえない不安を背負うケースもあるということを知っておいた方が良いかもしれません。そんなわけで私はこの腫瘍マーカーと言う検査はあんまり好きではありません。早期発見事例があるのも事実なので否定はしませんし、受けたいという人には説明をしますが・・・、結構人気なんですよね。

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