人間ドックにおける腫瘍マーカーの功罪①

腫瘍マーカーと呼ばれる検査があります。

人間ドックなどでは自動的に組み込まれることもありますし、任意にオプション検査として追加されることもあります。一般にこの検査は腫瘍、つまりがんの発見に役立てることを目的とした検査として紹介されますが、実際にはそうでないように思えます。例えば以下のサイトは説得力のある紹介をしているように思います。

国立がん研究センター:一般向けサイト

ここではがんの診断を受けた方向けに、がんの動向を知るための一つの指標として活用するものとしていますが、健診機関のパンフレット等ではがんの早期発見に役立つと紹介されることがあります。

たしかにそのようなけーすもあるのかもしれませんが、それと同じかそれ以上に不安を生み出している検査と言えるかもしれません。医師の中には人間ドックでの実施は有害無益と断言するケースもあるようです。

実は私の職場には腫瘍マーカーが基準値を超えている人が少なからずいます。そしてそれら全員ががんの診断を受けているわけではありません。実は私もそんな一人だったりします。

多くの場合、以下のような流れを期待して安くない金額を投じて腫瘍マーカーを受診するのだと思います。

①がんの早期発見が期待できるなら、この腫瘍マーカーもやってみようかな

②とある腫瘍マーカーで陽性反応

③慌てて病院受診をした結果、早期のがんの発見につながった

④簡単な手術でがんを取り除けてよかったね

しかしこんなケースはあったとしても稀ではないかなと思います。以下は私の場合のケースを紹介してみましょう。

①がんの早期発見が期待できるなら、この腫瘍マーカーもやってみようかな

②とある腫瘍マーカーで陽性反応

③慌てて病院受診をした結果、医師がどのように対処しようか困惑

④一応可能な検査を実施してみるものの、結果は陰性で原因不明

⑤腫瘍マーカーで陽性なので何かがあるかもしれないが、保険診療で調べることが出来るのはここまで

⑥高額な検査(PETCTなど)を自費で受診し、追究することができるがどうしたいですか?という選択肢を提示される

⑦To be Continued

私の場合はある程度腫瘍マーカーの知識を知っていましたのでこのような展開は想定していましたが、実際になってみるとため息が出る気持ちです。

この展開になる人が結構いるというのが現実の様で、お金を出して言えない不安を買ってしまうことになる場合もあるのです。この展開が多いなら、腫瘍マーカーは有害な検査になる場合もあるという意見に私は賛同してしまいます。

臨床の現場では実際どうなんでしょうか。私の検査を担当してくれた医師は正直な気持ちとして困っていると言っていました。検査して異常ありませんでしたでは納得してもらえないケースも多いのだそうです。

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