人間ドックにおける腫瘍マーカーの功罪②

腫瘍マーカーはまぁ、キライです。

私は仕事上、この検査を誰かにお勧めすることはしていません。しかし人気があるのは事実です。様々ながんに反応するこの検査は病気を早期発見したいと考えている人にとっては魅力的なものですし、実際に成果を出している場合もあるのです。

特にPSAは有効な検査と言われています。男性の前立腺に特有な成分を調べることが出来るので、この数値が上昇した場合には精密検査がしやすいというのが一つの特徴です。

陽性イコールがんではありませんが、空振りであったとしても基本的に他のがんを疑う必要はありません。そのように教えられてきました。

もう一つ有効と言われているのがp-53抗体と呼ばれる検査です。これも腫瘍マーカーに分類される検査の様で、比較的歴史が浅い検査です。しかしながら従来の腫瘍マーカーに比べて幅広く早期のがんの発見が可能であるという点で有効だと言われているようです。

実際にがん患者を対象にした研究では検出率で優秀な成績を上げたとかで、パンフレットにはがんの早期発見につながると期待されているとされていました。私も新しいものだからこれまでの批判に応えた優秀な検査だと期待しました。

私が引っ掛かったのはこの「p-53抗体」です。これが悪夢の始まりでした。

このp-53抗体という検査はがんの発生に関係しているもののようで、早期の発見に役立つ知見はあるようです。しかしながら、癌がなくても検査結果が高値になることもあるし、がんなのに高値にならないこともあるようです。残念ながら血液検査というのはそのようなもののようです。

それでも有効性が期待されているのが大腸や食道、乳がんや膣などのがんの早期発見とされています。この辺りは医師の考え方によって大きく違いますので何が正しいのかは私にもよくわかりません。少なくとも私の勤め先の産業医はこのように説明してくれました。

私はそんなp-53抗体に引っ掛かったのですが、中々に良い人間ドックのコースを受けており、関連する検査で正常範囲という結果がありましたし、そう遠くない過去に二次検査で胃カメラや大腸カメラもやっております。そのため何を疑えば良いのかがわからない状態に陥っていたのです。

そんな私に対する医師の指示は以下のものでした。

人間ドックでの検査が不十分な部分の検査をしてみなさい。

それでも原因がわからなければ、経過観察だね。

調べてみるとこのp-53抗体は期待先行の検査の様で、実際にはまだわからないことが多いようです。5年10年の追跡が必要などと説明されているものもあり、人間ドックで導入するのはいかがなものかと思ったりもします。

人間ドックは健康を維持するために役立つ情報を提供数r物であり、断じて不安を煽るものであってはならない、そう感じてしまいましたので私は腫瘍マーカーをお勧めしませんし、受ける場合もリスクの説明はしっかりします。

腫瘍マーカーはがんを早期発見する可能性もありますが、擬陽性となり長く不安に苦しむことになる可能性もある。それはある意味では検査の副作用です。

こんな説明をしても受けたいという方には説明をするようにしています。体験に基づいて話をすると、結果が悪くても不安の受け止め方が違うということがあるようです。精密検査をしても原因がわからずドクターショッピングをするケースもあり、金銭的なリスクも小さくないのですから・・・。

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