ストレスチェック

ストレスチェックの基礎知識

2015年12月から始まったストレスチェックは2018年現在3年目に突入しています。健康診断と同じように法的に義務付けられているということから多くの企業が導入しているという状況になっています。

このストレスチェックですが、大手企業であれば制度が出来る以前から何かしらの取り組みを行ってきたという実績がある場合もありますが、そうでない場合には急にメンタルヘルス対策を求められて混乱したというケースも多いのではないでしょうか。

3年目となる2018年においても、まだまだ手探りで活用法を検討しているのは専門家と呼ばれる側も同じであるという状況にあります。まだまだこれからの分野であると言えます。

このストレスチェックは少なくとも1年に一回は従業員に対して自分自身の状態を把握するための検査の機会を提供することを義務付けています。何をして良いかわからないときは必要なことを一つずつ確認して行きましょう。

会社の規模や経営者の方針にもよりますが、対応力が十分でない状態であるなら無理をせずに、まずは対応可能な範囲で努力をするという始め方でも良いと私は思います。そんな会社も少なくありません。

1.ストレスチェックの実施体制を作る

2.ストレスチェックの実施方法を決める

3.ストレスチェックの実施時期を決める

4.ストレスチェックの結果の出し方を決める

5.ストレスチェックの活用法を決める

6.ストレスチェックの外部委託

1.ストレスチェックの実施体制を作る

ストレスチェックを行うためにはまず実施体制を作る必要があります。この辺りについては厚生労働省が無料で公開しているストレスチェックの実施マニュアルを参考にするのが良いでしょう。

ある程度の規模の会社の担当者の方はこのマニュアルを熟読してから取り組んでいる傾向がありますが、非常にボリュームがある書類ですのでハードルが高いかもしれません。予備知識なしで読んでも少し難しいかも知れません。

それよりも考えなければならないのが実施体制の構築です。必要になる部分を非常にコンパクトにすると以下のスタッフの確保がまず必要です。

①実施者

②実施事務従事者

最低限これだけは必要になりますのでしっかりと決めておきましょう。①の実施者は産業医にお願いするのがお勧めです。大企業で専任の担当者を立てられる場合を除けば、それ以外の選択肢をあまり推奨しません。健康診断の結果の取り扱いでもかなり気を使いますが、ストレスチェックはそれ以上の管理責任が問われますので会社の個人情報管理の仕組みを考慮したうえで検討しましょう。法的には産業医以外にも保健師や精神保健福祉士、研修を受けた看護師などが実施者になれます。

しかしながら責任者である産業医が様々な雑務を直接行うことが出来るわけでもありませんので、実施者の指示を受けて動くスタッフが必要になります。それが実施事務従事者です。実施者の権限の一部を持つことになりますので、厚生労働省のマニュアルにあるように「人事権の無い職員」の中から選定すると良いでしょう。人事権のある人物がストレスチェックに関わると正確な回答を得られなくなったり、トラブルの原因になる可能性があると考えられています。例え正当に対応したとしてもトラブルの原因にならないとは言い切れません。関わらない方が良いのです。

なお、この実施事務従事者には知り得た情報に対して守秘義務があります。経営者や人事権がある人に対しても同様ですのでそれなりの人選が必要になります。

企業の内情として、守秘義務を持って仕事をすることが大変であるという環境の職場もあるようです。しかしながら個人情報の取り扱いについてはかなり具体的に書かれていますので間違いのない様に対処しましょう。

一般的には実施者である産業医と実施事務従事者を加えた安全衛生委員会を中心に実施体制を構築することになります。この様な仕組みでしっかりやりますよと言うことを社内に通知することが最初の一歩になるでしょう。

2.ストレスチェックの実施方法を決める

ストレスチェックと言うものは、厳密にはかなり自由度があります。特定の内容を網羅していれば自由な内容での実施が許されているという仕組みになっています。しかしながら現実的にはマニュアルに示されている一例である「職業性ストレス調査票」を採用するケースが圧倒的に多い状況になっています。

この「職業性ストレス調査票」は57項目で構成されている質問しですが、この省略版の23項目も簡易版として用意されています。しかしながら最も利用されているのは57項目版です。

実施方法としては紙を配布して実施する形式とパソコンやスマートフォンを活用して回答できるようにするITCを活用した形式から選ぶケースが多いです。

どちらを選んでも基本的に結果は同じですが、ICTを活用すると結果の記入漏れを防ぐことが出来ます。コストを検討して好みの方を選択すると良いでしょう。

ただ、ストレスチェックのためにシステム構築をするのはあまりお勧めしません。ICTでの対応は便利ですが、紙の対応の方が圧倒的に安く済みます。すでにインフラがある場合を除いて、紙での対応の方がハードルが低くなりますのでお勧めです。

3.ストレスチェックの実施時期を決める
最も推奨できるのは一週間程度の限られた期間を指定して実施する方法です。特定の時期のストレス状況を把握することが出来ますので非常にお勧めすることが出来ます。

ただ、仕事に余裕のある暇な時期を狙うのか、忙しい時期を狙うのかによっても結果には大きな変化が生じることが予想されます。そのため、明確な計画を持って実施するようにしなければなりません。いつでも一緒という考え方ではなく、目的をもって時期を選ぶことが大切です。

唯一絶対の正しい実施方法と言うものがあるわけではありませんので、会社の方針によって決めるのがお勧めです。

<実施例1>
繁忙期に実施することで負荷が最大のタイミングのストレス状況を把握する。

<実施例2>
配置転換後一か月を目途に状況把握に使用する。

<実施例3>
閑散期に実施することで仕事の負荷に関連しないストレス状況を把握する。

4.ストレスチェックの結果の出し方を決める
 ストレスチェックと言うと個人に返却される報告書が注目されがちですが、職場の状況を把握するために集団分析についても注目する必要があります。

個人の結果はまず本人に配布し、本人が同意しなければ会社側が確認することが出来ません。それに対して集団分析は個々人の同意なしに得ることが出来る情報ですので重要な存在になります。

現状ではこの集団分析は努力義務とされていますが、出来るだけしっかりと考えて対応するのがお勧めです。現実的な問題としてストレスチェックの個人結果を全て会社で把握して個別的対応を行うのは非常に困難です。対応を間違えると却って問題を大きくしてしまうこともあります。

そのため、会社としては個人の情報については収集せず、集団分析を結果として把握するという考え方をするのも良いでしょう。丁度職場の健康診断のような位置づけで考え、来年の同じ時期にストレスチェックを行う際にどのように変化するのかをチェックするという方法も一つの方法です。

<実施例1>
個人結果を個人に配布し、同意のあった人の結果を会社で管理する。集団分析を行い、高負荷な職場の明確化と対策の立案を行う。

<実施例2>
個人結果を個人に配布し、会社は結果を確認しない。申し出があった高ストレス者に対して医師の面談機会を用意する。集団分析を今後の職場づくりに活用するため、詳細な分析を実施する。

5.ストレスチェックの活用法を決める
ストレスチェックの活用法については多くの会社が悩んでいるところであると言えます。実施後の対応については十分に機能していない企業の方が多いと言えるでしょう。

一つは高ストレス者に分類され、医師の面談を希望する職員への対応についてです。産業医が対応してくれれば良いのですが、対応できない場合には探す必要があります。そして面談が行われた後での職場の改善にも苦労することになるでしょう。

そのため個人の対応については産業医を始めとする医師の判断に従い、職場の改善については集団分析を使って対策を決めていくという形が一般的になっています。集団分析の傾向を考えて職場の対応方法を決めていくという対応をすることになります。

6.ストレスチェックの外部委託
中堅以上の規模の企業であれば専門のスタッフを採用するなど内部での対応も不可能ではありませんが、そうでない場合には内部処理はあまりお勧めできません。労力が非常に大きなものになりますのでメリットが少ないと考えられます。

それよりもサービスを提供することの出来る専門の業者の力を借りて任せる方が少ない労力で対応することが出来るために良いストレスチェックを行うことが出来る場合も少なくありません。

ストレスチェックの実施部分の委託だけであれば一人500円程度から外部委託業者を見つけることが出来ますので、魅力的なサービスを提供している業者を見つけるのも良いでしょう。

①法律の要求を満たしたいなら健診機関

②健診機関がやってくれないならシンプルなサービス機関

③真剣に取り組みたいなら専門機関

こんなところでしょうか。

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