ストレスチェックは役に立っているか?

ストレスチェックは専門家の間で評判が良くないです。

これは現実の話です。実際に実施している企業の全てがそうであるというわけではありませんが、医師の中にはこの制度自体に疑問を呈しているケースも多く、法律の求める最低限度以上をする必要はないと言い切る産業医も実際にいます。サービスを提供する医療機関としては悲しい限りですが、その判断には一理あると言えるでしょう。私もストレスチェックを売る立場としては中々思い悩む部分があります。

この様な判断に至る理由としては、ストレスチェックのやり方にあります。客観的指標が皆無であり、20年近く前に開発された質問紙をそのまま使っているケースが多いのが現実であり、実施後のフォローのための人材も不足しており、育っていないのが原因と考えられています。確かにそうかもしれません。一般企業などの産業の現場には普通医療従事者はいませんし、メンタルヘルス対策に習熟している人材もいないのが標準です。もし社内にそのような人材が非常勤でもいるのであれば、普通ではない意識の高い会社だと思って下さいね。

要するにこのストレスチェックの仕組みを活用することが出来る土台がまだ存在していないのです。多くの場合大企業のモデルをベースに仕組みづくりが行われますが、従業員50名以上を巻き込むこの制度の場合には大企業モデルが直接役立つケースはそんなにありません。そのため、現実的には実施することが目的になっているケースが多く、活用するところまで行っていないのが現実です。

私の医療機関はストレスチェックに対してはあまり力を入れていません。あくまでも低コストで法律の要求事項を最低限満たすサービスを提供するのが基本方針です。そういう会社も多いですし、そういうニーズが多いのも事実です。ただ出来ることであれば、あるべき仕組みの構築をお手伝いしたいという気持ちを多くの人が持っています。例えば私はその様な企業に出会った場合には、惜しげなく情報提供したうえで、担当者の知識や経験、予算に合わせた業者の探し方をお勧めしています。勿論内緒で・・・ですが。

国がこの様な状況下で法的な義務付けをしたのは、とにかくメンタルヘルス対策への意識付けを高めることを目的としているのだと私は思います。わからないなりにもできることをやってみるということがプラスに働くと想定しているのでしょう。ただ私の知る限り医療従事者は医師を含めて個人へのフォローに熱心ですが、会社への仕組み作りにはあまり関心が無いように思えます。

あくまでも私の勝手な考え方ですが、会社がストレスチェックを本当に活用したいのであれば、得られた情報を使った個別対応ではなく、集計された情報を会社の仕組みづくりに生かすべきではないのかと思います。個人への対応は専門家も少なからず存在しているので、会社側としてはそのようなスタッフに任せるのが良いでしょう。しかし会社の仕組みづくりは会社にしかできないのです。これを疎かにするのであればストレスチェックの意味は本当にないと言えるでしょう。

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