結局従業員の病歴は知って良いのか悪いのか

法律って曖昧なところが面白いと感じるようになりました。

いや、曖昧じゃダメだろう。そう考えていた時期が私にもありました。しかしながら世の中を見渡してみると辻褄の合わない問題がいかに多いのかを目の当たりにすることになります。

裁判の中には法の解釈に関するものも少なくありませんし、明らかに法律の不備による問題が放置されているケースもあります。

法律が出来た時には十分な内容であったはずのものが、時代の流れとともに技術的な進化が発生したことにより法律の対応が難しくなったケースなども珍しい話ではありません。

以前何かの番組で新しい法律を作るときにはすでに施行されている法律と齟齬が発生しないように細心の注意を払っているという説明を聞いたことがあるような気がするのですが、健康診断の世界でも矛盾?を感じることも少なくありません。

従業員の健康管理と個人情報の保護はどちらが優先事項?

例えば上記のようなテーマがあります。最新の法改正では個人情報保護法の一部改正により、要配慮個人情報として位置づけられた情報の中に「病歴」があります。この法改正に伴い、個人の病歴は原則として個人の同意なく第三者に伝えることが禁止されました。

要配慮個人情報とは、

「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報」(改正個人情報保護法2条3項)

と定義されています。

病歴を知られることによって就業上の不利益を被ることがあるため、それを伝えるにあたっては本人の同意を必要とするという内容なのです。

これだけ見ると企業側の健康管理のためには本人の同意をとらなくてはならないということになるのですが、従業員の圓光管理を義務付けている安全衛生法との関係はどうなっているのでしょうか。

一つの結論としては安全衛生上の責任が上位に位置付けられるため、安全衛生法に定められた範囲では個人情報の保護よりも優先して適用されるなんていう説明を受けたことがあります。

まぁ、そうでなければ企業側の管理などできるはずもありません。ストレスチェックでは最初に本人が結果を確認して同意を得ることが必須とされているという前例があるため、慎重に考えている方も多いのですが、健康診断に関することであれば比較的柔軟に対応することが出来るようです。

いずれにしても面倒なお話であると感じはしませんでしょうか?

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