個人情報を保護して人を守らず

個人情報保護原理主義になってはいまいか。

私の勤める医療機関は健診部門においてプライバシーマークを取得しています。日本は個人情報保護にかなり気を使っており、この認定を取得しようとす企業の数は増加傾向にあると言われています。

健診業界でも取得するのはごく一般的なことになっている側面もあり、決して珍しいことではありません。実際に取り扱う情報の多くが管理上慎重になるべき個人情報の塊ですし、必要なものなのはわかっています。

今日までその考え方は世界的に見て多少行き過ぎている部分があるかもしれませんが、正しいものだと思っていました。その様な姿勢が個人の経理を守り、安全な生活につながるものだとある意味信じていたのだと思います。

しかし、今日こんなことがあって少し怖くなりました。

私たちは健康診断をしていますので不特定多数の健診情報を保持しています。そのため何か事件があれば警察や裁判所、病院などから情報の照会が来ることがあります。それは頻繁にあることではありませんが、無いことではありませんので淡々と対応してきました。

しかしながらこの様な情報開示に緊急性が求められる場合、個人情報の保護の仕組みは本当に人のためになるのかどうか悩まされる状況になることがあるということを、今日私は体験してしまったのです。

事の始まりは私たちとは関係のない外部の病院からの問い合わせです。(*内容は文脈を買えない程度には改変しています)

医師「当院に救急で来た患者さんの情報がそちらにあると思われるのですが、情報提供してもらえませんか?」

私「状況はわかりました。至急対応したいと思いますが、個人情報の開示の手順について確認したいので少し時間をください」

医師「至急心電図の状態を確認したいと思いますのでよろしくお願いします」

私は院内で個人情報関係の責任者に状況を伝え、すぐに対応したい旨を話しましたが、最近では相手のなりすましの可能性があるのでしっかりと確認する様にしてほしいということと、会社の健診結果であるため、会社の同意または依頼を受けて動くようにと指示を受けました。

その後手順を踏んで資料を準備して私が先方の病院い電話をしたのは30分後でした。

私「資料の準備が出来ましたので私有対応したいのですが、どのようにすればよいですか?」

医師「ちょっと私では個人情報の関係は・・・クラークの人に代わります」

どうやら個人情報の取り扱いについて手順が出来ていないようで、緊急であるにもかかわらず向こうも動きが取れ内容でした。

医師「後ほどクラークから電話をさせますのでしばらくお待ちください」

それから1時間以上、確認の手続きには時間がかかりました。

緊急性の高い問題に対して支給情報が欲しい病院と、それに迅速に応えたい私たちを阻んだのは個人情報保護の意識でした。規定には生命の安全のための目的であれば開示の判断はできるとされていますが、実際には本当に必要だったかわからない確認作業で数時間を浪費しています。以前であれば緊急性の高い情報共有であればメールやFAXで情報共有していたのでしょう。

それが良かったのかどうかは別として、もしもこのような手続き上の問題で助かる命が助からないということもあるのかもしれないと思わされる部分がありました。こういう雰囲気にしているのは個人情報保護に関する過度な圧力だと思います。プライバシーマーク側もこんな事態を望んでいるわけではないのだと思いますが、近年の風潮はいつか「個人情報を守って人を守らず」という結末に向かうのではないかとうすら寒くなりました。

手順をしっかり作れば良いという方もいるかもしれませんが、出来ない人、出来ない環境を考慮した仕組みでなければいつか問題を生むと感じます。

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