必要な検査と必要のない検査

間違いなく存在するテーマですね、これ

とはいえ、働いている立場ではなかなか言葉にするのが難しいのも現実です。どんな業界でもサービス業である以上は売り上げが必要になりますので、必然的に意識してしまうことになるでしょう。医療の世界でもお金を稼ぐことが出来なければ医療の維持はできないのです。

医師を含めた医療関係者と話をすると、無駄な検査や投薬は良くないよねという話になることは多いです。健診の世界では無駄な投薬というものはほぼありませんが、無駄な検査に関しては結構あります。私もそうですが、健診に従事するスタッフの中には葛藤を抱えている人も多いものです。

例えばよく話題になるのは「腫瘍マーカー」です。この検査自体には価値はあると思いますが、健診や人間ドックでは無駄な検査じゃないかと感じている人は多いです。保険診療ではないので世の中に迷惑をかけることはなく、基本的には本人が好きでやっているということになりますが、それでも検査をするメリットが疑わしいというのは正直な気持ちとして持っています。

しかしこれはそれなりの売り上げになることに加えて、がんの発見が可能というセールスポイントがあることから人気もあるのです。経営者の立場からそのような検査の存在があるのに売らないという手はないだろうというのはもっともなことかもしれませんが、私はやはり問題の解決とセットになっていないこの検査に対しては否定的です。

私の中で意味のある検査というのは、それを実施することで問題が明確になり、その対処法が存在している明確な指標であることと考えています。例えば血圧なんかはそうかもしれません。測定するたびに数値が変わるのでちょっとどうかと思うこともありますが、高血圧なら治療法がいくつかあります。このように検査の結果に対して次の手が用意されているものは意味のある検査だと思います。

逆に意味のない検査というのは、検査をした結果に対してどうすればよいかがわからないものです。結果が悪くても原因もわからないし、精密検査のしようがない、とにかく様子を見るしかないという場合もあり得ます。私がかつて引っかかったP-53抗体という検査もその類です。この検査の場合、結果が悪くても何が悪いのかは明確にならず、精密検査をしても高確率で何も見つからないのだそうです。私の場合もそうでした。結局困った医師はどうしても不安ならPETCTをするしかないと勧めてくる始末です。こういう検査は良くないなと私も思います。

今流行っているコロナウイルスの検査はどちらでしょうね。私は初期の段階では治療法のない検査を希望者に対して大量に行うことの意味についてはないと思っていましたし、今でもそれは変わっていません。今のところ上手にコントロールできているようにも思います。ただ、東京の現状を見ると今後が不安になってしまいます。

ある程度蔓延してしまうと検査をしても封じ込めになりませんから、封じ込めという意味では無意味になってしまうかもしれませんが、現段階の感染の封じ込めという意味では一定の検査の実施は必要な気もします。アメリカやイタリア、スペインの現状は正直なところ全く予期していなかった状況になってきており、医療の世界の端くれとしては非常に不安を感じています。

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