本当に役に立つ検査を受けてもらうために知っておいてほしいこともある

人間ドックや健康診断を代表的なサービスとしている予防医学の分野は、右肩上がりの成長をしているようです。私の地域では周囲を見渡してみても廃業した医療機関はわずかで、ここ10年で新規参入した医療機関の多さが目立ちます。

企業向けの定期健康診断に力を入れる医療機関はそれほど大きな変動はありませんが、人間ドックに関しては激しい競争が始まっています。人間ドックの人気は年々高まり、新しいサービスもどんどん増えていきます。

私も仕事上、人間ドックを希望する方に直接接客をすることもあるのですが、割と多いのが「おまかせ」というものです。中には自分でしっかりと調べてくる人もいますが、そういった方でも説明をしていくとあまり深い質問はせずに検査することを希望する流れになって行きます。

典型的な例としては「出来る検査を全部やりたい」というものですが、健康はお金では買えないという認識を持つ人が増えてきた結果なのかもしれません。

かつてはこのような傾向にやりがいを感じていましたが、最近ではそれって本当に必要な検査なの?と思うことも増えてきました。そんな商品が増えてきているんですよね。

それって実はあまり意味のない検査なんですよ

・・そう、言ってしまいそうな検査もあります。

代表的なのは「腫瘍マーカー」ですね。医療機関によっては早期発見をキーワードに宣伝しているケースもありますが、これを勧めても良いのかと思いながら説明をしたりもします。

私は腫瘍マーカーという検査を自分の意思で人間ドックに組み込むことに迷いがあります。以前も自分の実例に基づいて体験談を書いたことがありますが、不安を煽るだけになってしまうことがあるからです。

腫瘍マーカーって、一定の割合でがんがあっても反応しなかったり、がんではなくても反応したりするそうですよ?そんな説明を聞いたら「なにそれ?」って思いませんか?私はそう思いました。勿論医療従事者の中にはそういうものであるということを理解した上で実施したり、勧めたりしている場合もあります。この検査によってがんが発見できたケースだってあるでしょう。でも、それと同時に自分ががんかもしれないという不安にずっと付きまとわれることになるケースも多くあるのです。

では、なぜそのような検査を進めるのかというと、需要があるからです。

医療機関側としては良い売り上げになりますし、検査を受ける側としてはしっかりと調べてもらいたいという希望があるからです。最近では私と同じように人間ドックでの腫瘍マーカーに疑問を呈している話も珍しくはなくなりましたが、それでも希望者は多いですね。

しかしそのような検査も今では珍しいものではなくなりました。その結果、現場では新しい検査がどんどん登場しています。それらは大抵が値の張る検査だったりします。これまでの検査では不十分であった部分を解消した新しい検査であるというのが売りであり、数万円を必要とするのが一般的です。健康保険がきかないのでこのような金額になるのですが、これを推奨するのは少し心が痛みますね。

健康食品と同じ売り方になっていないか

私は健康食品はそんなに好きではありません。毎年のように新しい成分が発見されては効果があるのかないのかわからないようなものが世に放たれています。もしかしたら本当に驚くように手軽で価値のある成分があるのかもしれませんが、個人的にそういったものにはお目にかかったことがありません。

一応それっぽい説明がなされているのですが、効果のほどは個人差が大きく、なおかつ長期間継続しなければ意味が無いというのがお決まりのフレーズになっています。化学的な根拠が示されているようで、実際には理解できない方法での提示になっていることも多いですよね。

いずれ人間ドックなどの予防医学の世界も血液だけで将来の予測を含む多くの情報が手に入れられる時代が来るのだとは思いますが、まだまだそこには程遠い状況です。検査を受けた後どうするのが良いかが決まらない検査も沢山ありますし、やりっぱなしのケースも増えているような気がします。

人間ドックの結果を持って病院に行くと、現場の医師が困ってしまう・・そんな検査をしていてはだめだろうと思うのですが、そんな検査も人間ドックの現場にはあったりするのが現実ですね。私も言われましたよ、なんでそんな検査したのって。

医療の世界が特別とは思いませんが、売り上げ競争をする中で意味のないもの、本当に必要とされていないものを売らなくても済むような環境であってほしいと思います。

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