健康診断の基礎知識 2019

  1. 健康診断とは
  2. 法律に基づく健康診断
  3. その他の健康診断
  4. 人間ドックとの違い
  5. お得な受け方:会社の方向け
  6. お得な受け方:個人の方向け

健康診断という言葉を聞いたことが無い人はいないでしょう。児童生徒の健康診断もありますので学校で実施することになります。また就職をすれば健康診断は義務になります。しかし知っているようでよくわからないものでもあるでしょう。

この健康診断を受けることで何がわかり、何がわからないのかを理解しておくことは大切ですよ。

① 健康診断とは

私が生まれて初めて健康診断と呼ばれるものを受けたのは多分乳児の頃です。その頃のことは全く覚えていませんが、小学校に上がってからは毎月身体測定をしたのは思い出されます。

その後は中学、高校、大学とそれぞれの中で健康診断を受けてきました。病院実習をする際には別途受けたような記憶もあります。現在の職場に就職する際にも受けましたね。そのように様々な局面で健康診断を受けることになります。

その多くは「健康診断」を受ける必要があって行っているものであり、大半が自発的に利用している医療サービスではありません。それが健康診断の特徴かなと私は思います。勿論自発的に健康診断を受ける人もいますが、そういった人の大半は人間ドックというものを受けます。そんなわけで全体の9割は何らかの形で受ける人用があるから受けるものとして位置づけられるのかなと私は思います。

なお、公式な定義は検索をしても見つかりませんでした。曖昧な概念なのかもしれませんね。私も職場で健康診断の定義を聞いたことがありますが、先輩の誰も答えることが出来ませんでした。今の私なら上記のように返事をするでしょうが、それも公式な説明というわけではありません。

 

②法律に基づく健康診断

私の考える定義では「受ける必要性のあるもの」とした健康診断ですが、受ける必要性があるというのは法的、あるいは公的な位置づけがしっかりとあるということです。

最初の健康診断としては乳幼児の健診が該当するでしょう。根拠となる法律は母子保健法です。ここでは概ね3歳くらいまでの乳幼児に対して健康診断を行います。子供に何か問題が発生していないかを調べたり、育ての親の不安や心配に応えるのが主な内容です。またこの健康診断(乳幼児健診)で地域の子供の状況を確認し、確認できない子供の家庭のスクリーニングなども行われています。

その後は学校等での健康診断が続きます。学校保健安全法という法律が根拠になります。この法律で定める学校というのは大学も含むのですが、大学生の場合にはそれほど強力に受診勧奨はされませんね。高校までは殆ど必須の扱いになっています。内容は大人の健診く比べると非常にシンプルです。最近の動向では座高が廃止されましたね。あれはあまり意味がなかったのだそうです。座高で勝って慎重で負けるというのは男女ともに靴冗句を味わってしまう問題でしたが、あれはいったい何だったんでしょうね。

そして就職をすると労働安全衛生法に基づいて健康診断を受けることになります。大人が健康診断と一般的に言う場合にはこれを示すことが多いでしょう。一般健診、あるいは法定健診という呼び方をします。「法」律に「定」められた健診ということですね。内容は非常にシンプルで、はっきり言って不十分です。しかし法律に定められているのは労災防止のために必要とされる項目としていくつかの検査項目が提示されるのみです。

そして比較的最近になってできた特定健診が続きます。これは高齢者の医療の確保に関する法律と国民健康保険法に定められているものであり、40歳以上の被保険者、被扶養者を対象とした制度です。こちらに関しては義務ではありませんが、実施率の向上を保険者に求めていますので間接的に圧力がかかっているものと言えるでしょう。

他にも色々ありますが、健康診断と呼ばれるものの背景にはこのように様々な法律があるのです。法律があるから実施機会が作られ、それを利用して義務を果たす仕組みが出来るのです。健康診断を受けたいという人が自発的に利用する制度としては40歳以上を対象とした特定健診がそれに該当するかもしれません。しかしそこには法に裏付けられた一部補助金のようなものが存在しています。

この仕組みですと若い世代でサラリーマンではない場合、正規雇用ではない場合は枠から外れてしまいがちだと気づかされます。しかしながら若いうちはそれほど問題にならないのかもしれませんね。あとは自営業や経営者などは義務としての健康診断が存在していません。この辺も注意が必要でしょう。

 

③その他の健康診断

いやいや、もっと違う健康診断もあるよという方もいるかもしれません。そうですね、確かに他にもたくさんの健康診断があります。例えば腸内細菌検査はよく行われています。食品衛生法(食品関係など)や児童福祉法(保育所など)で実施が定められていますね。

あとは特殊な業務や研究で薬品関係を扱う場合、それが有害であると既知の場合には健康診断の実施が義務付けられています。有機溶剤や石綿、粉塵作業、電離放射線、などなど様々なものがあります。特定化学物質と呼ばれる化学物質を扱う場合には年二回の健康診断の実施が必要ですが、この特定化学物質は年々増加しています。取り扱い注意の物質ってどこにでもありますよね。

ちょっと変わったところではVDT健診というものがあります。これはVisualDisplayTerminals、要するにパソコンとかです。これらを使用する場合には健診が必要とされているんですよね。まだこれらが一般的ではない時代に作られた法律なのでしょうが、現在でも生きている法律です。分類としては指導勧奨の特殊健康診断という分類になっており、やりなさいと行政からの指導があるという意味になっています。まぁ、やらなくても罰則がないのでやっていないところも多いのですが・・・。今厳密に対応したら事務職は全員特殊業務になってしまいますよね。

この辺りは随時変動しているところです。調べないと正しい情報がわからないというのは健診の専門家でも変わらないようですよ。特に特殊健診は全部に対応できる健診機関ってあるのかなというところです。

 

④人間ドックとの違い

もう①で書いてしまいましたが、健康診断と人間ドックの違いは「しなければいけない何かがあるかどうか」の違いだと私は思っています。一般的には健康診断よりも検査項目が多いものを人間ドックと言うようですが、人間ドックとは何かを検査項目的に明確にしようと思うと説明できる人はいないでしょう。胃部X線検査を行ったら人間ドックなのか、腹部超音波検査を行ったら人間ドックなのか、その辺りはわからないのです。

さてそんな人間ドックですが、私は「個人的に利用する医療サービスの中で胃の検査(胃X線検査、あるいは胃内視鏡)を行う以上の検査をセットしたコース」を人間ドックと定義して対応することが多いですね。あくまでも便宜上であり、どこで切っても良いわけなのですが・・。

ポイントになるのは「個人で利用する」ものであることです。従って法的な義務などは存在していません。そこが大きな違いかなと思います。受けるのも自由ですし、受けないのも自由です。だからこそ自費が当たり前だったのですが、最近ではその予防医学の効果が認めらているのか期待されているのか、補助金が出ることも多くなりました。

人間ドックで行う検査内容にはほぼ例外なく定期健康診断(特殊健診を除く)の検査項目が含まれています。そのため、検査内容は連続性のあるものであり、非常に詳しく実施する健康診断という表現も間違ってはいないのです。疎化しそこに法的な義務はありません、ということです。

 

⑤ お得な受け方:会社の方向け

健康診断は先述の通り、法律の裏付けがあるものであり、必要が合って受けるものであるという傾向があります。そのため自分がその制度を利用する場合において金銭的な面を心配することはそれほど多くないでしょう。

子供の健診は無料かそれに近いことがほとんどですし、大人の健診でも実施義務が会社にありますので自己負担を強いることもないはずです。あるならそれはおかしいことだと思いますよ。

そんなわけで心配する人がいるとすれば会社の担当者が会社の経費削減の過程でどのように健康診断を実施するのか‥ということになります。その視点でお得に実施する方法を考えていきましょう。

まず、この健康診断というのは健康保険を利用して行われる医療ではありませんので、100%自費での実施が基本となります。従って同一検査が同一の費用であるとは限らないということです。この仕組みがありますので会社の定期健診と言っても価格には大きな差が生まれることになるのです。競争という原理が働きます。

私の職場でも全く同じ内容の定期健康診断が2000円~8000円くらいの価格帯で変動しています。同じ医療サービスなのにこれはひどいと思われるかもしれませんが、こういう仕組みが健診の世界にはあります。

さて、ではこの両極端にはどのような違いがあるのでしょうか。あくまでも一例ですが、以下のようなケースが実際にあります。

「8000円のケース」

とある企業(従業員20名くらい)が、従業員各自に好きなタイミングで好きなように申し込みをするように指示した場合

「2000円のケース」

とある企業(従業員2000名くらい)に対し、健診機関側から健康診断で自分の医療機関を利用してほしいと交渉を行い、実施時期などについても健診機関側に合わせてくれる場合

ちょっと極端な事例になりましたが、ポイントは押さえているかなと思います。要するに健診もビジネスであり、お互いにメリットのある内容であれば契約が成立するのです。大きな会社はそれ自体が武器になりますが、そうでない場合にはお互いにメリットが生じるように交渉を行う必要があるかもしれません。

もし私が健診機関の担当者だとして、「どうしたら安くしてもらえますか?」と質問を受けたとしたら、「健診機関にも繁忙期と閑散期がありますので、こちらの事情に合わせてもらえればある程度は相談に応じます」と返すかもしれません。12時にレストランに来たお客さんに、今忙しいから3時に来てねというような交渉になるわけですが、そういったお互いにメリットのある調整であれば交渉は可能かもしれませんね。

あとは健診機関はいくらでもありますので、他の健診機関に見積もり依頼をしてみるのも良いでしょう。ただ、安ければよいとは限りませんので、その点については注意しておきましょう。信頼は大事です。

 

⑤ お得な受け方:個人の方向け

個人で健康診断を受ける場合(人間ドックではなく)、そこには費用をかけたくないという気持ちがあるのではないでしょうか。もしそうであるのなら、無料で利用することのできる仕組みを活用しない手はないです。

とは言え、個人での健康診断をお得に受けようとする場合には何かとハードルがあるものです。そうそう上手くはいかないので覚悟は必要です。

まず無料で行う、あるいは補助金などを利用して格安で行うことを想定する場合、何かしらの制度を利用する必要があります。私が知る限りではそのようなものがいくつかはあるのですが、かなり限られた方向けの仕組みになっていますので、特定の健康保険組合に加入しているなどの条件があります。これらは自分で選べるものではありませんので難しいところですね。

なお、結論を先に行ってしまうと、40歳以上なら「特定健診」の仕組みを使うのがお勧めです。この特定健診という言葉を私が初めて聞いた時、なんかすごいしっかりtロした内容そうだなぁと思っていたのですが、実際にはスカスカな中身だったりします。それでも価格に関しては高めに設定されていることが多く、より充実した内容の健康診断や人間ドックに組み合わせて利用すると結構役立ちます。

お金をかけたくないという方には特定健診だけを受けることが推奨されますが、私はこれは非常にもったいないと思います。特定健診だけではかなり乏しい内容でしかないので、個人的にはあまり役に立たないような気がする・・・。

普段から自分の所属する自治体の広報誌を読む習慣のある方の場合には、地域の健康診断を無料か格安で受けられる仕組みがあることを知っている人もいるかもしれません。これもお勧めの選択肢です。がん検診という形で何かに特化した健診の場合もありますが、会社の定期健診くらいの内容を網羅している場合もあります。これも特定健診の実施を兼ねていることがありますが、住民であり一定の年齢を超えていれば利用できるという仕組みが多いので、自分に利用できるチャンスがあるなら狙ってみるのも良いでしょう。大体平日なのでサラリーマンには厳しいのですけどね。

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