紙で処理をするのは時代遅れなのか

紙には紙の良さがある。

今は引退した私の職場のかつての責任者の言葉がこれです。世の中はどんどんペーパーレスに向かって行き、最終的には紙を使って物事を処理することがなくなるという印象がありますが、実際にはまだまだ多くの業界で紙を利用しています。FAXなんかもまだまだ現役ですが、これって世界的に見ても先進国では珍しいことだとかなんとか。

要するに日本人は紙で処理をするのが好きなのかもしれませんね。理屈ではペーパーレスによる効率化が分かっていても、紙を選択してしまう理由も分からなくはありません。これだけスマートフォンが普及しても毎年のように紙の手帳が製造販売されていますし、カレンダーもなくなりませんよね。

健診の世界でも比較的小規模な新興の施設の場合には完全に近い形でペーパーレスを実現していますが、それなりの規模で歴史のある施設ではまだまだ紙が現役です。慣れ親しんでいるというのもありますが、融通が利くというのが一番の理由だったりします。何があっても何とかなるのが紙なのです。

私の勤め先では施設で行う人間ドックの他に、一般企業の従業員を対象にした定期健康診断にも力を入れています。年間10万人以上に健康診断を実施しているのですが、個人で大枚を払って受けることになる人間ドックと違い、会社の健康診断ではどうしてもいい加減になってしまう人もいます。ここは本当に会社の個性が出るところで、イレギュラーな事態が少なくないのです。

私の職場で健診を指揮している人の中にはかつて仕事に対しては常に想定外を想定しろ、なんて指示をしていた人がいました。想定外を想定したら切りがないし、そういうことが無いように準備をするものだと思っていましたが、最近ではこの人が言っていたことが分かったような気がしています。

やはり健康診断と言うものは中々思ったようにはいきません。会社から言われて嫌々受ける人も少なくありませんので、問診を何も書かずに持って来るということも珍しくありませんし、準備をしてもそれが報われないこともしばしばです。あとは事前に連絡のない人が突然受けるなど準備できない想定外の事態に備えるためには紙での対応が最も柔軟性に優れるのです。この点に救われた現場の担当者の中には紙での運用至上主義な方も少なくありません。

しかしながら時代はペーパーレスです。職場の圧力も強まってきているのでいつまでも紙とばかりは言ってられないのかもしれません。現場の人はあんぜんだいいちであり、そのためには多少の無駄も受け入れるかもしれません。しかし偉い方にはそれがなかなか伝わらないのですよね。

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