人間ドックを受けて損をするケース ②

前回に引き続き、いくつかの事例を・・

これは私たちの努力不足でもあるのですが、人間ドックを受けるにあたってはその検査が有効であるかどうかをしっかりと説明をして受けて頂くことが大切になります。

臨床の現場では何をするかは医師が決めるか、医師が提案して患者側が決めるかのどちらかが多いように思いますが、人間ドックでは特段説明にあたるものがないというのが現実かもしれません。

だからこそ丁寧な説明を用意しておくべきなのだとは思いますが、その辺りが不十分なことがあり得ますね。それでも受けて害になることがあるわけじゃないでしょう?と考えている方も少なくありません。レアケースかもしれませんが、検査をしても役に立たないどころか余計な不安を煽るだけになってしまうケースもありますので注意しなければなりません。

繰り返しになりますが、しない方が良かったと後悔するケースもありますので、そのような事例を少しでも減らすのは大切なことです。

さて、前回の続きですが・・

③ 脳ドック

私の勤め先では40歳以上の方に脳ドックを推奨しています。高額根検査ですので一回は受けておくとよいですよという案内をしているのですが、検査の結果何かしらの問題があれば速やかに大学病院の専門医に相談ができる仕組みを構築しています。

そんな大学のある専門医から言われたのが、ある程度の年齢を超えて脳ドックをするのは気の毒であるという話でした。個人差もあるでしょうが、一定の年齢を超えていくと脳に何かしらの問題が生じていたとしても、手術をしたほうが良いかしない方が良いかの判断が難しいことが増えていくのだそうです。

脳の病変を知らずに生活していた方が幸せであったということが少なからずあるということなのでしょう。高齢者になると無理に手術をせずにそのままにするという選択肢も生じてくることになるのですが、しなくてよい検査をすることで拭えない不安を植え付けてしまうことにもなるという問題です。

④ 乳がん検診

なんで乳がん検診?と思う方もいるかもしれませんが、一時期非常に対応に困ることが発生していました。地域性があるかもしれませんが、一般の方に乳がん検診について質問をすると「マンモグラフィー」をイメージする方が少なくないと思われます。

テレビの影響は本当に大きなもので、一時期若い女性からマンモグラフィー受診の希望が殺到する時期がありました。今ではある程度知識も浸透してきており、健診としては若い方には有効ではないということが知られてきています。それでも若年者にとりあえずマンモグラフィーを行ってしまう健診機関もあったようです。

私は専門家ではありませんが、専門家の視点からは極めて悪質なことであると見えていたようです。実際に検査を希望してくる方と話をすると「他ではやってくれたのに!」と正しい説明をしても逆にサービスが悪いと不評を買うこともありました。

一貫して検査を受け入れない姿勢を貫く医師がいなければ私の職場でもやっていたかもしれませんね。だって、意味がなくても検査をすればお金になるのですから・・・。

ただこのマンモグラフィーも海外ではあまり・・、なんて情報も聞こえてきます。医療の常識は日々変わっていきますね。

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