騒音:有所見者が一番多い特殊健診?

最も多くの有所見者が出る特殊健診かと思います。

正確には指導勧奨の健康診断というところに分類される検査になります。この検査はとてもイメージしやすいと思いますが、大きな音が発生する工場などで仕事をする場合に行うことになるでしょう。

実はこの健康診断は有所見者が一番多く出ているような気がします。やっていることは聴力検査なのですが、影響が出やすいのでしょうね。

ちなみにこの騒音の健康診断が分類されている指導勧奨の健康診断というのはちょっと特殊な位置づけになっています。簡単に言うと以下の通りです。

①行政が実施を勧めている健診(受診勧奨)

②罰則はない

どういうことかというと、実施してねという行政側からの指導がある一方で、しなかったことによる罰則がないのです。そんなわけでこの騒音検査は必ずしもすべての工場など、騒音が発生する環境で徹底されているわけではありません。

この罰則がないという点が取り扱いを面倒にするところなのですが、罰則がないということがやらなくても良いということにはつながらないのだそうです。それは以下のようなケースにおいて問題が顕在化します。

労働者に聴力関係の障害が出た場合

本人、または家族からの申し出に対して適切な対応をとってきたかを説明しなければならない場合があります。訴えられた場合は適切な対応を行っていた証明をしなければならず、指導勧奨されている健康診断及びガイドラインに定められている作業環境測定は会社側が必要な対応を行ってきたことを証明する重要な要素です。

逆に言えば、行政から実施するように指導されており、ガイドラインも定められていることをしてこなかったのであれば企業側には相応な管理上の落ち度があることになります。

この様な問題を未然に回避するためにはやはり騒音に関する健康診断は適切に実施しておくことが大切なのです。

同じ指導勧奨の健康診断にはVDT(Visual Display Terminals)の健診がありますが、VDT作業による視力低下などの影響は個人使用するスマートフォンなどの影響を除外することが困難であるため状況は大きく変わってきていると言えますが、騒音環境は一般の生活環境の中にはないと思われますのでトラブルの原因になり得るものです。

そんなわけで私は騒音の健康診断はやっておいた方が良いですよ、という案内をしています。健康診断に関する考え方は色々ありますが、法律を満たす最低限をやっておけばよいというものから、リスクがあるならしっかり対応すべきだというものまで様々です。

コストの問題も無視できるものではないのだとは思いますが、相談を受けたら健康診断をしないことによるリスクと、得られるわずかなメリットを天秤にかけてもらうように案内しています。考えようによっては労災防止に関して必要な対応をしていることを証明する一種の保険のようなものではないかなと思うのです。

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