産業医の先生とストレスチェック

1割が好きで3割が嫌い、6割が無関心

これは産業医の先生がストレスチェックに対する感情として持っている気持ちの割合です。但し、あくまでも私の主観であり印象です。根拠なんて何にもありませんので「ふうん」程度に思ってもらえると嬉しいです。ただ、私が色々なところでお話を聞く産業医の先生の率直な気持ちが出ている部分だと思いますのでそれほど大間違いでもない気がします。結構注目されている制度であると私は思っているのですが、実施責任者になることが多い産業医の先生にとっては色々と微妙な部分があるようです。

まず第一に言えるのはメンタルヘルスを専門としている産業医、または対応できる産業医はそれほど多くないという現実です。産業医は幅広く職場の健康管理をしなければなりませんのでメンタルヘルスはその一部分でしかありません。しかしながらストレスチェックでは簡単な問診票であるストレスチェックを材料にして希望をした労働者に対して面談を行い、必要に応じて職場への意見をしなくてはなりません。判断の根拠が本人の申し出と問診結果、そして面談をした医師の見立てだけです。もし面談をした本人が自殺をほのめかすようなことを言い出しでもしたら適切な対応をしなければ問題につながります。場合によっては本人の希望を叶えるために医師が利用されてしまうことになるかもしれません。これは確かに負担になるかもしれませんね。

ストレスチェック後の面談をした医師の中には、面談を希望した人の中に含まれる対応が必要とされる水準にある人と、面談を希望しなかった人の中に含まれる対応が必要な人の比率について関心を持っている先生もいらっしゃいました。面談を希望しない人の中にこそ本当に注意すべき人がいるという主張です。確かにそうかもしれません。

例えば私の耳にも産業医の先生に相談をしたら全て会社に伝わってしまうから相談できないという声がありました。実際にはそんなことは無いはずなのですが、そうと思い込んだらそうと言うタイプの人もいます。色々と考えると医師が抱えてしまうことになるリスクって相当に大きいですね。

そんなわけで産業医の先生はいるけれどメンタルヘルスの対応はしてくれないので、その部分だけお願いしますという要望が私の所属先医療機関に来ることもあります。ストレスチェックへの真剣な取り組みは会社にとって、あるいは産業医の先生本人にとってリスクであるという考え方がどうやらあるようです。そのため、必要最低限の対応にとどめておき、法によって義務付けられた最小限度を行うのが良いと話す産業医の先生もいます。

リスクマネジメントとしては正しいのかもしれませんが、ストレスチェックの活用という観点からは随分と離れた主張であるため今後が心配です。私個人としては健康診断を売る医療機関の一員として、個人の健康診断だけではなく職場の健康診断(会社アセスメント)が出来たらいいな、なんていう生意気な構想を持っていたりもします。賛同してくれる専門家の先生が多ければ嬉しいのですけどね。

会社だって一つの生命体として考えた場合、その活動を支える従業員が健康に動けているかが重要です。どこかに淀みがあれば会社の健康(業績)にだって影響が出るはずです。離職率や平均勤続年数などは血液検査の結果と同じ働きをするかもしれません。その様な観点で活用できればいいのになと思い、3年目のストレスチェックを案内しています。

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