健康診断と色々な法律の話

調べると訳が分からなくなりますよ。

新人に対して健康診断の制度のことを説明しようとする時には法律の話をします。法律によって何をしなければならないのかが定められているんだよ、と言う感じで分かりやすく教えてあげたいのです。しかしながらこの法律の話は表面だけさらりとなぞっておくのがお勧めです。しっかり理解しようとして深入りすると、如何に複雑でよくわからないことになっているのかを味わうことになるでしょう。本気で学びたいのでなければ、あんまり詳しく調べなくてもいいと思います。

まず、一般的には健康診断は労働安全衛生法によって定められているという説明をしています。これは非常に頻繁に改定される法律で、毎年のように変わっているんじゃないかなと思えるほど変わっています。

この背景には有害な化学物質に関する取り決めが新たに追加されていくからなのだと感じています。特定化学物質と呼ばれる法的に定期的な健康診断による管理を義務付けられた化学物質と言うものが数多く存在しており、それらを規定しているのです。

そんなわけで、健康診断に関して学ぶならこの労働安全衛生法をしっかりと読み込めばOK!と言いたいところなのですが、実際のところそうではありません。日頃受けている健康診断の中にも別の法律によるものがいくつも紛れ込んでいます。

例えばメタボで有名になった特定健診は何でしょうか。これは高齢者の医療の確保に関する法律によるものです。労働者の健康、つまり労災予防のために行う定期健康診断とは全く異なる角度の物なのです。

しかしながら検査項目は非常に重なり合っているというわけのわからない状態に新人は頭を悩ませることになるのが常ですので、あまり深く考えずに受け入れてもらっています。最近では健康保険組合が特定健診や特定保健指導の実施率を少しでも上げたいと躍起になっていますが、一口に法律と言っても本当に色々あるのです。

私たち健診機関は一般企業だけではなく学校などを対象にした健診も行っていますが、そこでは学校保険法に基づいた健診を行うことになります。同じようなことでも作法が違うというか、法律が違うというのが何とも面倒な話です。そしてそれぞれが通達や改正によって少しずつ変化していきますのでちょっと気を抜くと置いて行かれてしまいます。最近では学校保険法の改正で座高が取りやめになったりしました。私が子供の頃は身長で負けて座高で勝つというのがかっこ悪かったのでかなり気にする項目でしたが、今はもうないんです。

他にも塵肺や石綿、特殊検診など様々な分野を異なる法律で規定しており、それぞれに通達による後付けでの法令解釈が加えられていますので、全体像を知るのはかなり苦労するでしょう。法律は今そんな状態になっていますね。

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