検査は人を幸せにしてくれるのか

こんなことなら検査しなきゃよかった。

そんな感情を持たれるケースがあるかないかと言えば、実際のところあるだろうなと思っています。最も検査結果をどのように受け止めるのかについては個人差のあることですので絶対にこうと言うわけではありません。そのため、人間ドックや健康診断で得られる情報と言うものはこういうものであるということを知っておくのが良いでしょう。

では、受けない方が良い検査とは何?と聞かれると少し困るのですが、その代表例に挙げられるのが腫瘍マーカーだったりします。一般的にはがんなどの治療効果の測定や経過観察に用いられると聞いたのですが、最近の健診機関ではどこでも気軽に実施することが出来ます。勿論私のところでも選択制で実施することが出来ます。

しかしながら高値だからと言ってがんが必ず見つかるかと言えば、決してそんなことは無いというのも事実です。高値になって病院で精密検査を受けてくださいと案内するのがルールですが、実際に病院に行っても何も見つからないことは多いのだそうです。その後、同じ腫瘍マーカーの検査値が低くなっていくのであればまだ安心した生活を取り戻すこともできるかもしれませんが、高値のまま安定する方も多いようで、不安がぬぐえないまま継続するということも多いようです。

この様な傾向は医師を困らせてしまうことも多いようで、血液検査で異常があるのに何も見つからないのはおかしいと思うのは当然のことであると言えるでしょう。だからこそ健診機関もこの様な検査を提供するのであればちゃんと説明をするべきであると思いますが、早期発見を売りにした宣伝を行っているのが実情です。

私の職場ではPSA(前立腺がんの主要マーカー)については価値のある検査と案内するようになっており、それ以外の主要マーカーについては一種の目安ですので必ずしもがんであることを証明するものではないという説明を加えています。しかし実際にPSAでもよくわからないことは起きています。

これは私の父の話ですが、PSAで明らかな異常値で画像診断も行い細胞を取って検査するところまで行ったけれども、結局がんではなかったというケースがあります。これはその後急速にPSAの値が下がったので良かったのですが、これが高いまま推移していたらいつまでたっても安心できずに不安を抱えて生活をしてきたことでしょう。

これらの検査に意味がないということはありませんが、検査をむやみに行うのではなく、どのような意味があるのかをしっかりと説明して納得してもらえるようにしないといけませんね。健診機関は治療をしないところも多いので、検査をやりっぱなしで不安を売りつけることの無いように注意しなければいけないのだと思います。

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