エチルベンゼン:特別有機溶剤の代表格?

記録の管理が大変です。

比較的最近改正された制度ですので知らない方も多いかもしれません。少なくとも現場で仕事をしている分には気づかないこともあるような気はします。健康診断では以前から有機溶剤の健診の他の特定化学物質(特化物)の健診というものが存在していましたが、有機溶剤の中でも発がん性の恐れの強いことが推定されるものが指定されて記録の管理が徹底されるようになったのです。

この改正は仕事に起因する様々な病気、特にがんを患う方に対して利益をもたらす仕組みである一方で、記録の管理を担当する部署に対してはかなりの負担を強いるものになる仕組みであると言えます。

簡単に言えば記録の管理体制の強化であると言えます。一般的に健康診断の結果というものは5年間の保存義務があるのですが、この特別有機溶剤に関する記録に関しては非常に長期にわたる保管義務が課されることになったのです。

この時間はなんと「30年間」です。詳しくは厚生労働省の資料の参照を推奨しています。

30年と言えば相当なものです。大手企業でもどうなるかわからないような時間ですから、中小企業であれば存在しているのかも不確かな機関です。転職が当たり前のこととなった現代社会において、退職者の記録の管理も必要になるでしょうから、記録管理の担当者には苦しい存在となりました。

これが「特別有機溶剤」の記録管理の方法であり、エチルベンゼンはそのような特別有機溶剤の中でも特に使用実績の多いものの一つです。

何でこんなに記録の保管期間が長いのかと言えば、使用をした影響が出始めるまでにかなりの時間を必要とするからとのことです。最近もテレビで特集が組まれていたような気がしますが、特定企業の退職者に非常に珍しい種類のがんでの死亡事例が多発していることが発覚し、調べてみたらその会社における特定の業務に従事していた履歴が判明したというものであったように思います。作業当時には健康への影響は出ていないものの、時間の経過に伴って影響ががんという形で発覚するということがあり得るのです。

なお、このエチルベンゼンは様々なものを作り出すために必要とされる化学物質の一つとして数えられています。使っている会社は結構ありますね。

健康診断としては有機溶剤の健診と同じように尿検査をします。代謝物としてマンデル酸を測定するのですが、実際のところ採尿には以下の条件があったりします。以下はある検査センターの条件の抜粋です。

連続した作業日の最初の日を除いた作業終了時に採取してください。ただし作業終了2時間前に一度排尿してください。

しかしながら健康診断のタイミングを必ずしもこれに合わせることが出来るわけではありません。バスで行う出張健診ならなおさらです。この辺は課題になるかもしれませんね。

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