健康診断における医師の意見に対する”医師の意見”

結構困っているようです。

最近では監督署の監査などで、健康診断実施後の医師の意見聴取が行われていないことに対する指摘が相次いでいるようです。実際に健康診断を行った後は、その結果に対して適切な対応を講じる必要があるのですが、そのための意見を医師に求める必要があるのです。つまり、

健康診断の結果は良くないが、働いても良いのか。

働いてよい場合に条件はあるのか。

このような点について意見をするのが医師の立場です。医師は要請に基づいて意見を出しますので本来は独立したものであるべきですが、産業医の場合などにおいてはその意見が会社の都合に反する場合には質問が来たり、修正を求められたりするわけです。これが結構厄介なのだとか。

医師の意見に対して従う義務は確かなかったと思うのですが、当然そのような指示をすることには責任が生じるでしょう。開業医であれば意見の撤回や修正に応じる必要などないということもできるかもしれませんが、産業医の中にはそうできない事情がある場合もあるようです。本来は健康で安全ではない状態で仕事をさせることにはリスクがあるのですが、それでも仕事に制限をかけられると会社が回らないという悲鳴のようなものもあるのでしょう。間に挟まれる側にとっては結構つらい問題です。

また、産業医として職場環境も含めて理解しているのであればまだしも、聞いたこともない会社のあったこともない人の働き方に対する意見を健康診断の結果だけから判断してほしいというのはそれなりに無茶な話であるという声もありました。就業許可の判断をして何かあった場合のことを考えると当然の話でしょう。

健康上の問題が就業時間中に発生することは実際にあり、私も健診中に倒れた方や、健診を受けた方ある時突然亡くなったという話も聞いたことがあります。どこでどのように働いているのかわからない相手に対して安易に就業判断をするというのは怖い話ですよね。そんなわけで私の勤め先の医師は基本的には知らない会社の知らない一つ対しては意見を気軽には書かないようにしているようです。

確かに、注意が失われれば死ぬこともある仕事環境は現実に存在しています。そのような環境で働いているかもしれない人に対して、責任のある判断は現場にかかわりのある人物でなければ難しいところですよね。

しかしながら、そんな産業医の立場も2019年以降は少し変わるのかもしれません。産業医の発言力が強化されるような法律に変化してきているように思えます。より中立性のある意見を出せることは職場の安全のためには重要だと思います。

本来天秤にかけるべきではない安全衛生の問題と人手不足による会社の事情はこれまでとは違う枠組みになって行く気配があります。働き方改革はそんな人手不足の状況を少し無視しているところを感じますが、それでもこの仕組みがうまく行くかどうか注意深く見ていきたいものです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする