法の求める内容とお金を天秤にかける担当者

そういうことは指摘されてから考える。

今年度(平成30年度)からは、昨年の定期健康診断では年齢による一律の検査項目の削除は適切な対応ではないという通達が出された影響もあって一つ一つの企業に説明をしています。

これまで若い年齢の従業員に対しては簡単な健康診断(心電図や血液検査などを省略したもの)を行ってきた企業にとって、全員が必要な項目の全てを受けなければならないというのはかなり重たいハードルになります。それは主に費用面の負担に拠る部分も大きいので、説明をする側にとっても気持ちがわからないでもありません。

しかしながらサービスを提供する側の立場としては問題が起きないように必要な知識についてしっかりと説明することが大切だと思っています。そのため丁寧な説明を心がけていますが、最後まで受け入れてくれないケースも少なからずあります。

しかしながら私たちもサービス業ですので、ルールが守れないのであればサービスが提供できないと言い切ることもできません。正しければそれで良いというわけにはいかないのですよ。そんなわけで「監査が入ったときに困りますよ」という忠告をすることになるのですが、それに対して上記の返事をされることがあります。「そういうことは指摘されてから考える」・・・と。

この問題について、医療機関側としては労働局に問い合わせをすることになりました。責任の所在がどこにあるのかと言うことは非常に重要なのです。正式な書面はどこにも存在していませんが、私の住む地域の労働局は次のようにお返事をしてくれました。

①年齢などを条件に一律での検査項目の省略は不適切

②医師の個別の判断による省略であれば認める

③省略することによって発生する問題の責任は、判断をした医師にある

④サービスを提供する医療機関には説明をすることを求めるが、客商売であることから要望に対して応えざるを得ない場合もあることは理解が出来る。この様な事態に対して、サービスを提供する医療機関側に責任を求めることは無い。

これ、結構重要なお話でした。

健康診断の検査項目の省略は医師であれば誰でも判断することができますが、判断をした医師に責任が発生します。このことを理解したうえで一部省略の指示をしてもらう必要があるのですが、そんな指示をしてくれる医師はいるのでしょうか。リスクばかりある判断になりますで、普通ならしたくないというでしょうね。

それでも企業側としては健康診断のコストの上昇は大きな問題になるようです。法的に必要と言うことが理解できても、それを「はい、そうですか」と受け入れることが出来る会社ばかりではないのが実情です。さて、今年はどうなるのかな・・。

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